世の中には様々な睡眠薬がありますよね。
不眠の患者に使用されていても、なかなか眠れないなんてこともあると思います。
果たして、その薬の作用は患者自身の睡眠パターンに対して作用があっているのでしょうか?
今回は、睡眠薬の作用や分類を理解して看護につなげていけるような内容にしていきたいと思います。
目次
不眠症とは
夜間の睡眠が十分に取れず、日中に眠気・疲れを感じるものを言います。
⇨従って、眠れていなくても日中に眠気・疲れを感じていなければ不眠症ではありません。
人に必要な睡眠時間は成人7時間、高齢者6時間と、高齢になるにつれて短くなります。
入院患者に対しては、睡眠リズム(何時に寝て、何時に起きているのか)を確認し、その影響が日中の生活に支障が出ているのかを観察する必要があります。
睡眠リズムが大きくずれると眠れないことが多くなります。
多少、夜間眠れていなくても日中の生活に支障がなければ不眠症ではありません。
ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の効果について
抗不安・抑うつ改善効果があり、患者背景に不安や抑うつなどの人理的な要因がある病態に対してより高い効果が期待できます。
しかし以下のような注意点があります。
・筋弛緩作用
65歳以上の高齢者においては、作用時間の長短によらず転倒のリスクが高くなります。
・持ち越し効果
長時間型、高用量、高齢者、肝腎機能低下において、睡眠薬の効果が翌朝以降にも持続し、眠気・ふらつき・めまい・倦怠感などが日中に出現します。
・奇異反応
中枢神経への作用によるものと考えられているが、攻撃性・焦燥感・抑うつ・精神病・躁状態などが生じる可能性があります。
・身体依存
耐性形成による効果減弱、耐薬症候の可能性があります。
常用量でも依存形成がされ、6ヶ月〜1年以上の服用で形成される。
長時間使用・高用量・多剤併用・短時間作用型・高力価でリスクが高くなります。
作用時間による分類
超短時間作用型
・マイスリー(ゾルピデム)
半減期2時間
・アモバン(ゾピクロン)
半減期4時間
・ルネスタ(エスゾピクロン)
半減期5〜6時間
・ハルシオン(トリアゾラム)
半減期2〜4時間
短時間作用型
・デパス(エチゾラム)
半減期6時間
・レンドルミン(ブロチゾラム)
半減期7時間
・リスミー(リルマザホン)
半減期10時間
・エバミール(ロルメタゼパム)
半減期10時間
中間作用型
・サイレース(フルニトラゼパム)
半減期24時間
・ユーロジン(エスタゾラム)
半減期24時間
・ネルボン(ニトラゼパム)
半減期28時間
・ベンザリン(ニトラゼパム)
半減期27時間
長時間作用型
・ドラール(クアゼパム)
半減期36.6時間
・ソメリン(ハロキサザラム)
半減期85時間
他とは異なる作用の睡眠薬
・ロゼレム
眠気に関わるホルモン(メラトニン)の分泌を促進し,自然な眠りを促す
・ベルソムラ(スボレキサント)、デエビゴ(レンボレキサント)
覚醒に関わる神経物質(オレキシン)の働きを抑制し、自然な眠りを促す
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