ペースメーカーを植込みしている患者に対して、モニター観察する場合どんなことに注目するでしょうか?
観察する項目は何点かあると思います。
しかし、一番大切なことはフェラーがないかということです。
フェラーとは、何らかの原因のあるペースメーカーの作動不全のことをいいます。
ペースメーカー不全と言われることもありますね。
ペースメーカーでのフェラーは
①ペーシング不全
②アンダーセンシング
③オーバーペーシング
があります。
それぞれについて説明していきたいと思います。
今回は①ペーシング不全です。
目次
ペーシング不全とは
通常、ペースメーカーがペーシングの刺激を出すと、それに反応して心筋の収縮が起こります。
しかし、ペーシング不全ではその刺激が心筋へと伝わらず、ペーシング刺激に対して心房や心室が収縮しない状態です。
ペーシング不全の原因としては
・出力不足(元々の設定出力が低い、電池の寿命など)
・心筋へと固定しているリードが外れてる
・リードの断線
などがあげられます。
それでは、波形をみていきましょう。
判断のポイントは
①ペーシングスパイクは出現しているが、それに続くQRS波が出現しない。
②心拍数が設定された数値以下になっている。
ペースメーカー不全を見たときの対応
ペースメーカー不全の危険度は中です。
たまに1拍だけ抜けるようなペーシング不全ですと、自覚症状がなかったり、軽いめまい程度である場合が多くあります。
しかし、ペーシング不全が続いて起きる場合には、最悪の場合には意識消失することもあり非常に危険です。
ペースメーカー不全を発見した場合には、バイタル測定を行いすぐにDrへ報告してください。
その際に、ペースメーカー不全部分のモニター心電図波形や、12誘導心電図をとっているといいでしょう。
治療
・出力不足の場合はペースメーカーチェックで設定を変更します。
・電池の寿命の場合には入れ替えが必要となります。
・心筋へ固定しているリードの先端が外れている場合は、位置の調整を行うか、リード自体の入れ替えが必要となります。
・リードが断線している場合には、リード自体を新しいものへ入れ替えが必要です。
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