心室ペーシングがwide QRSである理由
ペースメーカーで心室ペーシングがされているときにQRS波の幅が広くなっていることに疑問を持ったことはありませんか?
ペースメーカーのモードのDDDやVVIで心室ペーシングがされているときには下図のような幅の広いwide QRSとなります。
このようなwide QRSになる理由は、ペースメーカーの心室ペーシングリードの固定位置が関係します。
ペースメーカーの心室ペーシングリードがどこに固定されているのか知っていますか?
実は下図のようになっているのです。
心室ペーシングリードは右心室へと固定するようになっています。
そのため、ペースメーカーから心室ペーシングのために電気刺激が送られると、先に右心室へと刺激が伝わります。
その後、少しだけ時間が遅れて左心室へと刺激が伝わります。
つまり、PVC(心室性期外収縮)と同じような形で心室が収縮してしまいます。
このようにして心室ペーシングのwide QRSは発生しているのです。
※ペーシングリードの図では分かりやすいよう、心室ペーシングリードのみを書いています。
通常、DDDならば心房・心室にセンシング・ペーシングリードがそれぞれ2本ずつ。VVIならば、心室にセンシング・ペーシングリードが1本ずつ固定されています。
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