インシデントレポートとKYTについて

インシデントレポートといえば看護師をしていれば誰でも聞いたことがあると思います。

インシデントレポートがあることにより重大なインシデントを未然に防ぐことができます。
今回はインシデントレポートやKYTについて紹介していきたいと思います。

目次

インシデントレポートとは

そもそも、インシデントレポートはどうして記入しなければいけないのでしょうか?

インシデントレポートの目的は、同じミスを繰り返さないようにする事です。
一見、反省文や始末書のように思えてしまうかもしれませんが、それは違います。

人が行うことである以上ミスがなくなることはありません。
しかし、減らすことはできます。そんな時に活躍するのがインシデントレポートです。

インシデントのレベル


インシデントには患者への影響の程度から0〜5に分類されます。

・レベル0
エラーや医薬品、医療用具の不具合が見られたが患者には実施されなかった場合。

・レベル1
患者へ実施されたが、実害は無かった場合(何らかの影響を与えた可能性は不定できない)

・レベル2
傷害は一過性で軽度。
処置や治療は行われなかったが、患者の観察強化やバイタルサインの軽度変化、安全確認のための検査などの必要性は生じた場合

・レベル3a
傷害は一過性で中等度。
簡単な処置や治療(消毒、湿布、皮膚の縫合、鎮痛剤の投与など)を要した場合

・レベル3b
傷害は一過性で高度。
濃厚な処置や治療(バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院日数の延長、骨折など)を要した場合

・レベル4a
傷害は永続的で軽度〜中等度。
永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わない場合

・レベル4b
傷害は永続的で中等度〜高度。
永続的な障害や後遺症が残り、有意な能障害や美容上の問題を伴う場合

・レベル5
死亡した場合(原疾患の自然経過によるものを除く)

インシデント0レベルレポートとは

「0レベル」はヒヤリハットとも呼ばれます。
0レベルのものはエラーや医薬品・医療用具の不具合は見られたが、患者に実施されることはなかった場合をいい、もしそのまま実施されてしまえば重大なインシデント・アクシデントに発展する可能性があるのを言います。

0レベル報告のメリットは、手順や工程のどこに間違いや失敗が多いのかを把握でき、患者に影響が及ぶ前にその部分に対する事故予防策を講じることができることです。

基本的にインシデントレポートの作成に必要な事例とは、患者に影響を与えた事例のみではなく、失敗や間違いが発生したら報告の対象となると考えられています。

KYTについて

KYTとは危険予知トレーニングの略です。
もともとは労働災害事故を防止するための訓練として、産業界で開発されたものです。

「危険予知トレーニング」は危険を察知し、気づくための「危険感受性」を訓練する手法です。

インシデント0レベルレポートに提出されるような事例や写真で、どのような危険性があるか、そのまま実施されないようにするためにはどうしたらいいのかを話し合い、新人教育や重大なインシデントの予防策として活用することができます。

まとめ

インシデントレポートやKYTについて簡単ですが紹介させていただきました。

インシデントレポートを書くことを負担に思っていたあなたが、少しでもその負担に思う気持ちを軽減できていればと思います。

人が行う以上インシデントは無くなることはありませんが、減らすことはできます。
皆さんで協力して医療事故を減らしていきましょう。

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