今回はAF(心房細動)とPAF(発作性心房細動)の違いについて質問がありましたので投稿していきたいと思います。
AF(心房細動)について知っていることはあっても、PAF(発作性心房細動)について知っている人は少ないと思います。実は危険なPAF(発作性心房細動)について学び、心電図のAF(心房細動)とPAF(発作性心房細動)の違いについて覚えていきましょう。
目次
AF(心房細動)とは
そもそも心房細動とは、心臓内部でどのようなことが起こっているのでしょうか?
本来ならば、刺激伝導系に沿って洞結節で電気刺激がはじまります。
しかし、心房細動とは電気刺激が洞結節以外の心房内で、350~500回/分という数の電気刺激が不規則に多発してしまうために生じてしまう不整脈をいいます。
そのために、心房は痙攣しているような状態になっています。
そのために、房室結節が心房内で発生している電気刺激を間引きして、ヒス束以下へと伝導しているような働きをしています。
波形として表してみましょう。
心房内で電気刺激が多発しているために、P波を確認することはできず、基線が揺れているように見えます。
さらに、その多発している電気刺激の中から、房室結節が間引きしているためR-R間隔は不整となっています。
詳しくAF(心房細動)について振り返りたい方はこちらから→AF(心房細動)
PAF(発作性心房細動)
続いてPAF(発作性心房細動)です。
PAF(発作性心房細動)とは、基本調律がSR(洞調律・サイナスリズム)であった人が急にAF(心房細動)へと移行してしまい、その後数時間~7日程度でSR(洞調律)へと戻る場合をいいます。
PAF(発作性心房細動)は、頻脈性の不整脈のうえ、AF(心房細動)と同様に心房が痙攣しているような状態になっています。
そのために、様々な弊害があります。
波形をみてみましょう。
この波形で、SR(洞調律)からAF(心房細動)へと途中から移行していることが分かります。
詳しくPAF(発作性心房細動)について振り返りたい方はこちらから→PAF(発作性心房細動)
AF(心房細動)とPAF(発作性心房細動)の違いとは
AF(心房細動)とPAF(発作性心房細動)の違い。
それは、慢性的か、一過性かということで区別できると考えられます。
一般的にAF(心房細動)は、慢性心房細動と呼ばれる状態で、SR(洞調律)へとは戻らず常にAF(心房細動)が継続されている状態をいいます。
それに対して、PAF(発作性心房細動)とは、SR(洞調律)から一過性にAF(心房細動)へと移行し、その後またSR(洞調律)へと戻る状態をいいます。
基本調律がSR(洞調律)の場合にしかPAF(発作性心房細動)は発生しないのです。
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