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ホルター心電図とは
ホルター心電図とは、携帯型の心電計の電極を胸に付けたまま日常生活を行い、メモリーに記録されたものを、後で高速再生解析装置を用いて、心拍数、リズムなどの心電図の異常を解明するための検査です。
記録するのは、食事中、安静時、運動時、排便中、夜中、朝方など様々な条件で、どのように心臓が動いているのかで、それらを解析して原因を解明します。
目的
ホルター心電図検査の主目的は不整脈の検出と心筋虚血の有無を確認することにあります。
24時間の心電図を記録することで、身体活動や精神的ストレスが、心臓にどのような影響を及ぼしているのか評価できます。
ホルター心電図は不整脈全般を検出することができ、抗不整脈の薬効などの評価にも使用されます。
方法と電極の付け方
実際に電極を貼る位置の代表的なものを図としてみました。
- 青点でCM5誘導:12誘導のV5に類似しており、ST低下を検出しやすい
- 赤点でNASA誘導:12誘導のV2に類似しており、呼吸や運動による影響を受けにくく、ノイズが入りづらい
- 右側腹部(黒点)から左側腹部(青点):12誘導のV3に類似しており、ST上昇を検出しやすい
上記の電極を24時間装着してもらい、行動記録カードというものに記録中はどのような行動(運動、排泄、食事など)をしていたか、あるいは症状が出現したか(動悸、胸痛など)を記載してもらいます。
24時間後に電極を外し終了となります。
看護
患者に対して以下のホルター心電図装着中の指導が必要となります。
- 心電図を24時間記録しているため、自身で電極や機械を外さないこと。
- 入浴以外は日常生活は普段通り行って大丈夫であること。
- 行動や症状を行動記録カードに記載し、ホルター心電図を外す際に持参すること。
- 低周波治療器や電気毛布やなどは使用を控えること。
- 携帯型の心電計は精密機械であるため、故障の原因となるため水に濡らす・落とす・ぶつけるなどの衝撃を与えないようにすること。
注意点
- アレルギーや肌がかぶれやすい場合には、事前に検査室の技師へと申し送りを行います。
- ホルター心電図検査にははさまざまな誘導方法があり、患者の疾患により適切な誘導方法へ変更する場合があります。
- ホルター心電図検査は、患者の協力が不可欠な検査です。患者の協力が得られない場合には検査実施について検討する必要があります。
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