入退院支援の流れと退院調整のためのアセスメント

最近の日本の傾向として病院の在院日数を減らす流れになっています。
そのため、早期の退院調整が必要になります。

今回は、病棟看護師も知っておくと便利な入退院支援の流れと退院調整のためのアセスメントについて説明していきます。

目次

入退院支援の流れ

1、入院
緊急入院・予定入院があるが、可能な限りかかりつけ医、担当ケアマネージャーから情報を受け取り、病棟へ提出します(看護サマリ・入院時情報提供書など)

2、入院時スクリーニング実施
入院後3日以内に行い、退院支援の必要性を判断します。
入院時に各病棟で行い、地域連携室へと提出します。

3、退院先についての意向確認
入院前の生活場所の確認と退院先について本人・家族に確認します。
入退院支援カンファレンスシートの本人・家族意向確認の欄に記入します。

4、退院支援カンファレンス実施
入院時から7日以内にカンファレンスを多職種で行ないます。

5、計画書の作成
退院支援計画書を入院から7日以内に立案・作成します。

6、サービス担当者会議(1回目)
中間的な意味合いで退院先について意向確認のため実施します。
(退院についての共通のイメージを持つため2回まで算定可能)

7、サービス担当者会議(2回目)
退院後の具体的な生活のために、介護保険サービスや社会資源の調整を行ないます。
必要に応じて退院前訪問を実施します。

8、退院
診療記録に退院先を記録します。
必要に応じて看護サマリーを記載します。

9、退院後
必要に応じて退院後訪問を実施します。

退院調整のためのアセスメント

1、スクリーニング

入院する全ての患者に退院支援が必要とは限りません。
そのため、入院早期に退院支援が必要になりそうな患者をピックアップします。

患者や家族、場合によってはケアマネージャー、施設スタッフなどから情報を集めスクリーニングを行ないます。

情報として必要なものは以下のようなものがあります。
・入院前の生活状況について
(入院前のADL、家族構成、介護協力の有無、介護保険などの制度やサービスを使用していたか。医療処置の有無とどのように管理していたか)
・入院までの経緯や入院となった原因
・今後の症状やADLの変化の予測
・退院後の生活を見据えた退院先の候補

2、生活の場に退院するために必要なアセスメントの視点

①医療管理上の課題
・病状、治療方針、今後に予測される病状の変化、生命予後の確認
・患者、家族の自己管理能力や安全性の確認
・医療管理、処置内容で継続または新たに必要となるものはないか
ストーマ、創処置、服薬管理、点滴・注射、排泄ケアなど

②生活・介護上の課題
・ADL低下により日常生活にどう影響かでるか
・入院前のADLを取り戻すためのアプローチを検討
・患者、家族ができること、できないことなど家族の協力の有無を確認
食事⇒買い物や調理は誰がするのか
排泄⇒トイレは洋式か、手すりはあるか、衣服の上げ下げや後始末はできるか
移動⇒段差、階段、手すり、移動手段(独歩、T字杖、松葉杖、老人車など)
住環境⇒居室は何階か、アパートなどであればエレベーターはあるか

③患者・家族の意向
・退院後の生活についてどうありたいと思い、どのようにイメージしているか
・患者の楽しみや生きがい、仕事、続けたいことは何か
・患者、家族の理解と受け止め状況に不安が無いか、理想と現実の乖離はないか

これらのアセスメントをもとに、退院後の生活を見据えた看護展開をするために退院支援カンファレンス(院内多職種チームカンファレンス)で情報共有・課題を整理し、同じ目標をもって患者に介入していきましょう。

3、退院前のカンファレンス

退院後の療養場所が決まっていたら、在宅生活につなげるためにサービス担当者会議によって、院内や各関係者で退院後の支援を検討し具体的に役割分担を行ないます。(いつ・どの程度の頻度で・何をするのか)

サービス担当者会議では、入院中のADLの変化や今後の症状、必要な医療・看護・介護の内容、どこまで自立できているのかなどの情報を共有し、どのようなサービスが必要になるのかを話し合っていきます。
※入院中の介入により退院までに十分自立できている場合などは、サービス担当者会議は必要ありません。

なお、サービス担当者会議では患者本人や家族も参加するため、専門用語を使用せず分かりやすい言葉で行うことが求められます。

まとめ

退院支援は早期からの介入が重要ですが、それは早く退院させることとは少し違います。早期から患者・家族と退院後の生活を見据えた、医療者側とのゴールのすりあわせを行い、患者・家族の納得する退院先へと退院できるよう介入を行なっていくことが大切です。

患者・家族は入院することにより、入院前のADLまで回復すると思っていることが多々あります。そのため、退院時に両者のADLゴールに乖離があり退院が遅れることもあります。そうならないよう、入院早期からADLゴールのすりあわせ・共有が必要です。

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