今回はペースメーカーのフェラーの2回目アンダーセンシングについてです。
目次
アンダーセンシングとは
ペースメーカーでは、VVIやDDDなど通常、抑制と呼ばれる設定がされている。
これは、心臓の自己心拍が設定以下になるとペーシングがされるようになる設定です。
逆にいえば、設定以上の自己心拍がある場合にはペースメーカーはペーシングの必要がないと判断するのです。
しかし、アンダーセンシングが起こっているということは、ペースメーカーの感知能力が低い状態であるといえます。
自己心拍があるにも関わらず、それを感知する能力が低い場合には、ペースメーカーは自己心拍がないものと判断してしまいます。
そのため、ペースメーカーは設定以下の心拍数とならないようにペーシングを行ってしまいます。
それでは波形をみていきましょう。
判断のポイントは
①自己のQRS波が出現しているにもかかわらず、下限設定でのペーシングがされ続けている。
この波形では下限設定が60回/分になっています。
自己QRS波が出ていますが、その後も前のペーシングから60回/分のペースでペーシングが発生してしまっています。
アンダーペーシングの時に一番危険なことがあります。
それはspike on Tです。
spike on Tは、自己QRS波の後のT波の途中でペーシングが起こってしまい、T波にQRS波が乗ってしまうために生じてしまいます。
そうなりますと、PVCの分類でありました、R on Tと同様のことが起こり、致死的不整脈へと移行してしまうような危険があります。
アンダーセンシングを見たときの対応
アンダーセンシングの危険度は中です。
心電図モニターのプリントアウトや十二誘導をとって、Drへ報告しましょう。
spike on Tがある場合には危険度大です。
心電図モニターのプリントアウトや十二誘導心電図をとってすぐにDrへ報告しましょう。
治療
・ペーシング不全と同様にペースメーカーの設定変更が必要です。センシングの感度を高くすることで対応できることがほとんどです。
・感度を高くしても感知できない場合には、リード位置の調整が必要な場合もあります。
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