酸素療法の種類と目的とは


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目次

酸素療法の目的とは

酸素療法とは、低酸素状態にある患者に対して酸素投与を行うことにより低酸素状態を改善することをいいます。

また、酸素投与により心肺機能の負荷を最小限にして低酸素状態となることを予防する目的もあります。

 

しかし、酸素療法では換気自体の改善やCO2ナルコーシスの改善をすることはできません。むしろ、酸素投与によってCO2ナルコーシスを悪化させ、それによる換気障害などを引き起こす場合があるため、酸素療法を使用する場合には十分な知識の元での観察と管理が必要になります。

酸素投与により起こるCO2ナルコーシスとは‐病態や原因、看護について

 

酸素療法の種類

酸素療法には低流量(ローフロー)システムと高流量(ハイフロー)システムに分けられます。

低流量(ローフロー)システム

低流量(ローフロー)システムとは、供給酸素濃度100%の酸素を患者の吸気量よりも少ない流量で投与することにより、不足分の酸素を患者自身の呼吸によって補うものです。

特徴として、酸素流量が一定であっても、患者の吸気流速、一回換気量、呼吸パターン、酸素吸入器具によって患者自身の得られる酸素濃度が異なります。

低流量(ローフロー)システムの器具の種類には以下のものがあります。
・ネーザル(経鼻)カヌラ
・単純フェイスマスク(簡易酸素マスク)
・リザーバー付き酸素マスク

低流量(ローフロー)システムの利点と欠点

利点:簡便に速やかに利用することができ、患者の呼吸状態が安定している場合には酸素濃度を一定に保つことができます。

欠点:患者さんの呼吸状態が一定でない場合には正確な酸素濃度を保てず、必要以上の酸素が供給されていたり、逆に必要以下の酸素しか供給されていないことがあるため、厳密な呼吸管理が必要な重症患者には不向きです。

酸素療法での低流量システムの種類と特徴‐カヌラ・マスク・リザーバー付きマスクについて

 

 

高流量(ハイフロー)システム

高流量(ハイフロー)システムとは、ベンチュリー効果を利用した装置を使用することにより、患者の吸気量よりも多い混合気体(100%酸素+室内空気)を供給するものをいいます。

特徴として、ベンチュリーノズルと酸素流量により吸入酸素濃度を調節するため、患者の呼吸パターンなどが変化しても吸気酸素濃度を一定に保つことができます。

高流量(ハイフロー)システムの器具の種類には以下のものがあります。
・ベンチュリーマスク
・インスピロン

高流量(ハイフロー)システムの利点と欠点

利点:患者の呼吸状態に関わらず設定した濃度の酸素を吸入することができます。

欠点:適切な設定をしなければ有効な酸素投与が行えません。また、酸素濃度50%以上の供給はできません。

酸素療法での高流量システムの種類と特徴‐ベンチュリーマスク・ネブライザー付き酸素吸入器

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