人工呼吸器ってどんなことをする機械なのか?
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人工呼吸器は、呼吸障害・不全患者に対して呼吸の補助や代行をする機械です。
呼吸障害・不全とは、自発呼吸では酸素を体内に十分に取り込めない、換気が不足してしまうといった状態をいいます。
そんな人工呼吸には生理学的な3つの目的があります。
まずは人工呼吸器を始めるにあたり、その目的について知って頂きたいと思います。
目次
①肺のガス交換異常の是正
人工呼吸器が必要な患者は、自発呼吸が消失したり極端に換気量が減少しており、正常な肺でのガス交換ができていない状態です。
適正な換気量で人工呼吸することで、換気を人工呼吸器が代行し肺胞換気量を維持します。
肺胞換気量の低下を改善させることで、肺のガス交換の異常を是正します。
②肺容量の増加(酸素化の改善)
呼吸障害・不全患者では肺胞が虚脱しやすい状態にあります。
肺胞が虚脱している状態では、肺容量は低下し、酸素化は悪化する一方です。
人工呼吸器により、虚脱した肺胞を開放したり虚脱を防ぐことで肺容量が増加し、酸素化が改善します。
③呼吸仕事量の軽減
呼吸仕事量は、気道抵抗の増加、呼吸回数の増加などが原因で増大します。
呼吸障害・不全が起きているような重篤な全身疾患患者では、呼吸仕事量が増大しており、これが持続すると呼吸筋疲労という肺胞低換気状態に陥ってしまいます。
呼吸仕事量を部分的に人工呼吸器で代行することで、呼吸筋疲労の軽減や酸素消費量の減少が期待できます。
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