今回はペースメーカーのフェラー3回目オーバーセンシングについてです。
目次
オーバーセンシングとは
ペースメーカーでは通常、心拍数が設定されている下限以下になるような場合にはペーシングが出るようになっています。
しかし、センシングの感度が高すぎると自己心拍ではない何らかの刺激を感知してしまい、自己心拍が出ているとペースメーカーが判断してしまいペーシングを出さなくなってしまうのです。
これがオーバーセンシングという現象です。
当然ですが、自己心拍が出ておらずオーバーセンシングでペースメーカーがペーシングしない状態では、心室は収縮しません。
そのような状態が続く場合には、心拍出量が減少しアダムス・ストークス発作を引き起こす可能性も高くなります。
それでは波形をみていきましょう。
判断のポイントは
①心拍数が設定されている下限以下になっている
②出るべきタイミングでペーシングが出ない
この波形では下限設定が60回/分となっています。
しかし、赤線矢印の部分が何らかの刺激を自己心拍と判断してしまいペーシングが出ていません。
その間の自己心拍もありませんので、QRS波の発生もありません。
オーバーセンシングを見たときの対応
オーバーセンシングの危険度は中です。
心電図モニターのプリントアウトや十二誘導心電図をとって、Drへ報告しましょう。
治療
・ペーシング不全と同様にペースメーカーの設定変更が必要です。センシングの感度を低くすることで対応できることがほとんどです。
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