心筋梗塞の合併症はとして心破裂があります。
非常に危険な合併症で、心筋梗塞では起こりやすいものです。
心破裂とはどのような状態で、発症しやすい人や予防について学んでいきましょう。
目次
心破裂とは
心破裂とは、心筋に亀裂が入り裂けてしまうような状態をいいます。
循環器の医療現場では、破裂を意味するrupture(ラプチャー)といわれます。
心筋梗塞では、梗塞部位の心筋は脆弱化しており、非常に薄く破れやすくなっています。
そんな状態の心筋の部位が、心内圧に耐えることができずに心破裂を起こしてしまいます。
そんな心破裂は2種類に分類されます。
blow out rupture(ブロー アウト ラプチャー)
blow out ruptureとは、心筋に大きな亀裂が入ってしまい血液が噴出し、急激に心タンポナーデをきたし心停止を起こしてしまいます。
急性心筋梗塞(AMI)発症から24時間以内に生じることが多く、致死的で、救命は難しいです。
oozing rupture(ウージング ラプチャー)
oozing ruptureとは、小さい穴や筋組織の隙間が生じ、そこからじわじわとゆっくり血液が染み出す形で、2~3日経ってから血圧低下や頻脈、尿量減少などの症状をきたすことが多いです。
心嚢ドレナージや血圧コントロールなどの適切な対応を速やかに行うことで、救命できる可能性は高いです。
心破裂を起こしやすい特徴とは
急性心筋梗塞(AMI)後の心破裂を起こしやすい特徴についてです。
- 高齢者ほど発症しやすく、女性に多い。
- 1枝病変(SVD)で、特に左前下行枝(LAD)領域末梢の前壁または側壁に発症しやすい。
- 心筋壊死領域で菲薄化した左室拡張領域で発症しやすい。
- 梗塞中央部よりも、正常領域との境に発症しやすい。
- 初回急性心筋梗塞患者に発症しやすい。
- 発症後1日~3週間の間で発症するが、1~4日での発症が多い。
予防するために
心破裂を予防するためには、急性期での安静と血圧コントロールが重要です。
血圧コントロールでは、収縮期血圧が120mmHg以下になるように目安としてコントロールされます。
そして、その患者の病態にあわせた心臓リハビリテーションを慎重に進めていくことが必要です。それは、心破裂は、なにかしている時に心臓に負荷がかかった時に起こりやすいからです。
まとめ
心臓リハビリテーションが順調に進んでいっていても、心破裂のリスクはなくなったわけではありません。
心破裂を予防したり、早期に発見するためにも看護師の観察とケア、異常時の速やかな報告が必要とされます。
スタッフ全員が重症患者について把握し、注意して援助に関わる必要がありますね。
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