心電図モニターのアラームの鳴り続けを防ぐ-アラームコントロールの必要性

心電図の意味の無いアラームが鳴り続けて困っていないですか?
意味の無いアラームの連続では業務に支障もきたしてしまいます。

今回はそんな意味の無いアラームを少なくして、できるだけ本当に必要なアラームだけが鳴ることのできるように設定するために必要なことを紹介していきます。

目次

意味の無い心電図モニターのアラームが鳴り続ける現状

心電図モニターでは様々な理由でアラームが鳴ります。
・徐脈(Bradycardia)
・頻脈(Tachycardia)
・心室性期外収縮(PVC)
・心室頻拍(VT)
・心室細動(VF)
・心静止(Asystole)
大まかに上記のような感じでしょうか。

この中でなる頻度が多いものとしては、徐脈(Bradycardia)、頻脈(Tachycardia)、心室性期外収縮(PVC)だと思います。

しかし、適切な設定がされていないために特に徐脈や頻脈で意味の無い無駄なアラームが頻発していることが多い現状と思います。

アラームが鳴り続けるということで、医療スタッフは
「またアラームが鳴っている」
「いつものアラームだろう」
などといった思考になり、本当に必要なアラームが鳴った時に対応できないこともあると思います。

心電図モニターアラームコントロールの必要性

結論から言うと心電図モニターのアラームコントロールは必要です。

アラームは必要な時になるためスタッフが反応し、それに対処しようとします。
しかし、いつも鳴っているアラームには反応が乏しくなってしまいます。

全国の病院では、アラームが鳴っているにも関わらず医療スタッフが対応せずに患者が亡くなっていたなんて事例も何例もあります。

本来はアラームが鳴っているのであれば対応が求められるのですが、人はあまりにもアラームがなっているとそれに慣れてしまいます。
そして、何気ない時に事件が起きてしまうのです。

これらのことから、心電図モニターのアラームコントロールは必要と考えられます。
あなたも、いつもアラームが鳴っているからと、アラームを無視してしまうことはありませんか?

心電図モニターのアラームの鳴り続けを防ぐためにはどうしたらいいか

前述した通り、適切な設定がされていないために徐脈や頻脈で意味の無い無駄なアラームが頻発していることが多いと思います。

心電図モニターにはノイズなども入るため、全ての無駄なアラームを鳴らなくすることはできませんが、できるだけ少なくすることはできます。

具体的な方法としては、その患者の心拍数に合った心拍数の上下限アラームを設定することです。
心拍数には個人差があります。
もともと徐脈な人。
頻脈な人。
基本調律が心房細動(AF)の人。などなど・・・。
それぞれに適した設定をしなければアラームは鳴り続けます。

心拍数40~50回/分の患者に、初期設定の心拍数下限アラームが50回/分以下で鳴るように設定されていたとします。
どうでしょうか?

この場合には、おそらくずっとアラームが鳴り続けることになりますよね。
無駄なアラームが鳴っているために、必要なアラームが分かりにくくなってしまいます。

それでは、どのようにしてアラームの上下限値を設定していけばいいかという話をしていきたいと思います。

心電図モニター患者の1日の心拍数を知るためにもトレンドグラフを活用していただきたいです。

心電図でのトレンドグラフの活用方法

このトレンドグラフでは、ある一定期間の患者の心拍数をグラフとして表示してくれます。
そのグラフを見ることによって、その患者の心拍数がどの位の値で推移するかを判断することができます。

例えば、患者の心拍数が65~80回/分程度で推移していたとしましょう。
その場合は、上限120回/分程度、下限50回/分程度にすれば無駄なアラームはほとんど鳴ることはなく、アラームが鳴ることにより頻脈や徐脈で生じる不整脈を判断することができるようになると思います。

まとめ

心電図のモニターアラームをコントロールする必要性を感じることができたでしょうか?

アラームコントロールをすることで、無駄なアラームが少なくなり、スタッフが心電図アラームに注意を向けやすくなります。
また、上下限値を設定するために患者の心電図モニターを見ることにより、どの程度の心拍数で推移しているかなどの情報を収集することもできます。

メリットが多いことばかりなのですが、なかなか心電図モニターアラームコントロールが難しいと感じる人は、心電図への苦手意識があるのかもしれません。

心電図は覚えると面白いです。
ぜひ、この「看護師学習ノート」の心電図関係の記事を活用して一緒に心電図について学んでいきましょう!!

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