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人口呼吸管理中の患者は看護者で体位変換を行います。
NPPV(非侵襲的陽圧呼吸)ですと患者の意識があるため、自己で体位変換することが可能な場合もあります。
しかし、呼吸困難や意識レベルの低下、ADLの低下などのために自己体位変換が不可能な場合もあります。
IPPV(侵襲的陽圧呼吸)ですと、鎮静がかかっていることがほとんどであるため、尚更体位変換が必要になります。
今回は、そんな人工呼吸装着中の体位変換の管理の目的についてです。
目次
人工呼吸装着中の体位変換の管理の目的
①褥瘡の発生予防
②気道クリアランス
③換気と酸素化改善
④過重側肺障害予防
⑤肺容量増大
⑥VAP(人工呼吸関連肺炎)予防
⑦安楽
こられを目的として行います。
さらに詳しく説明していきます。
①褥瘡の発生予防
自分で体位変換できない患者は、体重で長い時間圧迫された皮膚の圧迫されている部位の血流が悪くなったり滞ることで細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。
これにより「褥瘡」が発生してしまいます。
長い時間同じところの圧迫を避けるため、定期的に体位変換を行う必要があります。
骨の突き出しがない広い面積のお尻の筋肉(殿筋)で体重を受けることができる30度側臥位で、基本的に2時間を超えない範囲で行うといいでしょう。
②気道クリアランス
IPPVでは気管チューブが挿入されているため、本来上気道で行われるはずの加湿・加温が行われなくなります。
そのことにより、気道粘膜上皮の線毛運動が低下し、気道粘液の粘稠性が増します。
肺の聴診により気道分泌物が貯留した区域を特定し、それに対しての重力の作用と一致する体位を用いて分泌物の排泄誘導を行います。
③換気と酸素化改善④過重側肺障害予防
同一体位では重力の影響により、分泌物の貯留や過重側肺障害、換気と血流の不均衡状態となります。
それらを予防するため、長時間の同一体位を避ける、障害が起きた反対側の体位をとるということが必要となります。
⑥VAP(人工呼吸関連肺炎)予防
人工呼吸中の患者を仰臥位で管理することは好ましくありません。
人工呼吸器装着中の患者が仰臥位でいると、胃内容物が逆流し、VAPの発生率が増加してしまうのです。
VAPを予防するためにも頭部を上げた体位をとることで、VAP発生率が低下します。
⑦安楽
ガス交換障害を伴う患者は、少しでもその呼吸困難を軽減しようと、体位を変えようとします。
しかし、人工呼吸器装着中の患者は自由に身体を動かすことができません。
そのため、状況に合わせて体位を工夫し、安楽な体位へと整えることが求められます。
体位変換実施後には
・患者の表情や体動の有無
・酸素化の評価
・バイタルサインの変化や呼吸音
について評価し、その体位変換が有用であったかを評価しましょう。
ただ体位変換を行うだけでは、それは看護者の自己満足になってしまう可能性もあります。
患者のことを考えて実施していきましょう。
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