今回はⅡ誘導以外の誘導方法について説明します。
先日、説明したように日本ではⅡ誘導が波形の観察がしやすいため一般的に用いられています。
しかし、すべての患者さんにⅡ誘導が適しているわけではありません。
体格や心臓の大きさなどの影響により、Ⅱ誘導では波形が上手く表示されないこともあります。
または、意味の無いアラームが鳴り続けることもあります。
そんなときには、他の誘導方法に変更することをお勧めします。
それでは、Ⅱ誘導以外に使用されている誘導方法について紹介していきます。
目次
①NASA誘導
NASA誘導では、12誘導でのV2に類似した波形となります。
電極は胸骨上端に赤、剣上突起上に緑に貼ります。
筋肉の少ない部位に付けるため、筋電図が入りにくいという特徴があります。
余談ですが、NASAが宇宙飛行士の心電図をモニタリングするために考えられた誘導方法であるためNASA誘導という名称になりました。
②MCL1誘導
MCL1誘導では12誘導のV1に類似した波形となります。
心房側からの動きを捉えやすいためP波を観察しやすく、不整脈では特に脚ブロックやPVC(心室性期外収縮)を判断しやすい誘導方法になります。
③MCL5・CC5・CM5誘導
MCL5・CC5・CM5誘導の3つの誘導方法はすべて12誘導のV5に類似した波形となります。
心室側からの動きを捉えやすいため、心筋虚血に伴うSTやT波の変化を観察しやすい誘導方法になります。
3つの誘導方法のうち、CM5は赤を胸骨柄に貼るため筋電図が入りにくい誘導方法です。
Ⅱ誘導から誘導変更する際に、どの誘導方法にするか迷ったときには過去にとった12誘導心電図を見てください。
その中から、V1・V2・V5の波形を見てモニタリングするのに適した波形を探し誘導変更してみましょう。
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