小児の肺炎の症状と治療、看護

目次

【病態生理】

肺炎に罹患すると、肺胞腔へ空気が十分に入らず肺胞低換気をきたします。
広範になるとPO2の低下、PCO2の上昇がおこり、その結果として不穏状態・努力呼吸を呈し、さらに進行するとチアノーゼが出現します。

また、分泌物を除去するための咳嗽はほとんど必発します。
肺炎に併発するのは気道のびらんですが、その結果として時に胸痛・血痰をきたす場合もあります。

気道の狭小化をきたすことにより喘鳴を伴うこともあります。

【肺炎の起因と症状・治療】

起因       症状        治療
     細菌性肺炎 肺炎球菌 風邪症状で発症。苦悶様症状、頻呼吸

呼吸困難(鼻翼呼吸、陥没呼吸)      呼吸音減弱

安静臥床、酸素吸入

解熱剤、抗生剤投与、脱水に対し補液療法

ブドウ球菌 上気道感染が先行。発熱、呼吸困難

苦悶様表情、傾眠、濁音、呼吸音の著明減弱

抗生剤投与、酸素吸入、脱水に対し補液療法

副腎皮質ホルモンの投与

インフルエンザ菌 発病が緩徐で亜急性の経過をとり、数週に及ぶ

咽頭炎、気管支炎を伴うことが多い

肺炎の一般療法と同じ
肺炎桿菌 肺炎共通の症状と同じ 肺炎の一般療法と同じ
ウイルス性肺炎 RS

麻疹

アデノ

水痘

上気道感染や発疹(麻疹・水痘)が先行する

呼吸困難、発熱、乾性咳嗽、倦怠感

食欲不振

対症療法

抗生剤投与

マイコプラズマ肺炎 咳嗽

発熱(39℃内外で1週間以内に解熱する)

呼吸困難、多呼吸

対症療法で自然治癒することが多い
嚥下性肺炎 突然の呼吸困難、チアノーゼが出現し、その後損傷粘膜に細菌感染し、発熱が見られる 誤嚥物の除去

対症療法

【看護】

・観察:熱型、呼吸状態(陥没呼吸・肩呼吸・尾翼呼吸等の努力呼吸、ラ音、強弱)、顔色・チアノーゼの有無、咳嗽・喀痰の有無、悪寒戦慄、全身倦怠感、頭痛、関節痛などの随伴症状、機嫌、啼泣の強さ、哺乳力、活気、食欲、下痢・嘔吐等の消化器症状、脱水症状、発熱時の痙攣の有無

・安静:呼吸器症状、発熱がある時は体力の消耗を最小限にする。解熱後は床上・室内で安静にできるような遊びを工夫する。睡眠が十分にとれるような室内環境の工夫

・室温・温度:室温は20℃程度、湿度は60%程度に保つ。冬期間の暖房中は加湿できる工夫をする

・症状の緩和:呼吸しやすい体位の工夫。必要時酸素吸入・吸入の介助
吟嗽・水分補給をして気道の湿潤を保つ。寒冷・埃などの誘発因子を避ける
発熱時の寝具・冷罨法・衣類の調節、悪寒時の保温

・水分・栄養補給:経口摂取が可能であれば、患児の好む飲料を与えるが無理強いはしない。水分補給・電解質の補正のため補液が行われる。経口摂取時に咳嗽を伴うときは嘔吐を誘発することがあるため、誤嚥に注意する。

・身体の清潔:清拭により清潔を保つ。発汗が多い時や吸入を持続して実施する場合には寝衣の交換を頻回に行う。おむつを使用している乳幼児や下痢が見られるときには臀部・陰部の洗浄により十分に清潔を保つ。口腔内も十分に清潔を保つ。

・合併症の予防と観察:口内炎、中耳炎、膿胸、髄膜炎などの合併症がある。口内炎は口腔内の清潔を保つことで予防する。中耳炎は上気道の分泌物を除去し、耳痛・耳漏が起こっていないかを確認する。膿胸の発生については、発熱・咳嗽・呼吸状態の悪化がないかを観察する。髄膜炎の発症については、発熱・頭痛・嘔吐・髄膜刺激症状を観察する。

・回復期:発熱・呼吸困難などの自覚症状が消失すると患児は活気を取り戻し、安静を保つことが困難になる。呼吸音の異常などを引き続き観察しつつ、ベッドからの転落や転倒に注意する。補液管理も十分に行う。

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