あなたは中心静脈カテーテルの管理についてどのくらい知っていますか?
実は、よく知らずに看護をしていませんか?
今回は、中心静脈カテーテルの管理やダブルルーメン・トリプルルーメンについて説明していきます。
目次
中心静脈カテーテルとは
中心静脈カテーテル(CVC)とは、中心静脈(上大静脈と下大静脈)に留置されるカテーテルをいいます。
食事摂取ができない場合や高カロリー輸液を行う場合などに留置されます。
カテーテルの内腔(ルーメン)の種類
カテーテルの内腔(ルーメン)の数によって、シングルルーメン、ダブルルーメン、トリプルルーメンに分けられます。
シングルルーメンは内腔の数が1つです。
ダブルルーメン
ダブルルーメンは内腔の数が2つです。
ダブルルーメンでは、遠位(distal)と近位(proximal)に分かれています。
遠位からは、高カロリー輸液や維持補液などが投与されます。
近位からは、抗生剤などが投与されます。
トリプルルーメン
トリプルルーメンは内腔の数が2つです。
トリプルルーメンでは、遠位(distal)と中間位(medial)と近位(proximal)に分かれています。
遠位からは、高カロリー輸液や維持補液などが投与されます。
中間位からは、循環作動薬などが投与されます。
近位からは、抗生剤などが投与されます。
挿入部位による特徴と注意点
内頸静脈
挿入の第一選択となります。
内頸静脈は皮膚に穿刺後1~2cm挿入すると血管に到達します。そして、血管到達後13~15cm挿入して固定します。
内頸静脈への穿刺は気胸のリスクが少ないです。
注意点としては、鎖骨下に比べて常在菌の数が多く、気道分泌や頭髪、ヒゲなどによる汚染による合併症のリスクが高いこと、首が動くことによってカテーテルが屈曲する可能性もあります。
外頸静脈
外頸静脈は皮膚に穿刺後1~2cm挿入すると血管に到達します。そして、血管到達後13~15cm挿入して固定します。
外頸静脈は気胸のリスクが低く、穿刺・止血が容易です。
注意点としては、カテーテルを進めることが困難であること、血栓を形成しやすいことがあります。
外頸静脈に穿刺することはほとんどないかと思われます。
鎖骨下静脈
鎖骨下静脈は皮膚に穿刺後1~7cm挿入すると血管に到達します。そして、血管到達後13~15cm挿入して固定します。
鎖骨下静脈は固定性がよく首を動かしてもカテーテルの屈曲に影響しにくいです。
注意点としては、動脈への誤穿刺や気胸の発生リスクがあります。
大腿静脈
大腿動脈は皮膚に穿刺後2~3cm挿入すると血管に到達します。そして、血管到達後15~20cm挿入して固定します。(中心静脈圧を測定する場合には40~50cm挿入します。)
大腿静脈は穿刺時の気胸などの合併症が少なく、穿刺が容易であるため心肺蘇生中に穿刺する場合などに選択されます。
注意点としては、陰部からの感染の可能性が高く、下肢の運動が制限されることによる深部静脈血栓の危険性がある、股関節を屈曲できないため患者にとっての苦痛があります。
肘正中皮静脈
肘正中皮静脈からの中心静脈カテーテル穿刺は、PICC(末梢挿入式中心静脈カテーテル)と呼ばれます。
肘正中皮静脈は皮膚に穿刺後1~2cm挿入すると血管に到達します。そして、血管到達後40~45cm挿入して固定します。
肘正中皮静脈からの穿刺は、穿刺・止血が容易で、気胸や血胸などの合併が少なく、カテーテルのタイプによってはヘパリンロックを必要としない利点があります。
注意点としては、カテーテルを進めることが困難、肘を曲げることにより滴下の状態が変動する可能性がある、カテーテルが他の静脈に迷入してしまうリスクがあります。
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