胸腔ドレーン挿入中の管理と看護ー観察で異常を見抜く


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今回は、胸腔ドレーン挿入中の管理の方法について、全体として観察してかなければならない部分と3連ボトルシステムそれぞれの観察していくべき点について学んでいきましょう。

目次

胸腔ドレーン挿入中で持続吸引中の観察

全身状態の観察

いつでも全身状態の観察は基本である。

  • バイタルサイン
  • 呼吸状態
  • 胸郭の動き
  • 呼吸苦などの自覚症状
  • 呼吸回数
  • 挿入部の疼痛
  • 皮下気腫の有無《捻髪音や皮膚に触れたときの握雪感(あくせつかん;雪を握ったような感覚)の有無》

などについて観察を行っていく。

ドレーンの観察

  • ドレーン挿入部の固定や接続部の緩みがないか、排液は漏れていないか
  • 胸腔ドレーン挿入部の発赤、腫脹、浸出液
  • ドレーンのねじれや屈曲などによる閉塞はないか
  • 逆行性感染を防ぐため、 胸腔ドレナージボトルが胸腔ドレーン挿入部より低い位置にあること

 

ドレーンバックの観察

ドレーンバックの観察では、胸腔ドレーンが排液目的なのか、排気目的なのかで注意して観察する部分が異なる。また、3連ボトルシステムそれぞれの観察項目について説明していく。

排液室

排液目的の場合
疾患に応じた排液の量、性状、色調を観察する。
・心不全では、漿液性淡黄色
・胸膜炎では、多くは漿液性であるが、感染性の場合は混濁、癌性の場合には血性もある
・血胸や開胸術後では、血性排液後、経日的に淡々血性~淡黄色へと変化し、量も減少していく

注意が必要な状態としては
・ドレーンの屈曲・閉塞のため排液が止まる⇒閉塞・屈曲の介助やドレーンのミルキングが必要
・持続する血清排液(100ml/時、2ml/kg/時以上)がある⇒輸血や止血手術などが必要
・挿入直後に1000ml以上の排液があり呼吸困難症状がある(再膨張性肺水腫)⇒酸素療法やステロイド剤使用が必要
・排液が混濁・膿性である⇒感染が原因の可能性があり、抗生剤投与や変更が必要
これらの場合には、医師への報告が必要である。

排気目的の場合
排気目的の場合は、排液がほとんどでなくなる状態を目指しています。

注意が必要な状態としては
・血性の排液があればドレーン穿刺部の損傷の可能性⇒止血処置や経過観察が必要
・混濁した排液があれば逆行性感染による胸膜炎など⇒抗生剤投与や変更が必要
これらの場合には、医師への報告が必要である。

管理のポイント
・排液の停滞や逆流防止のため排液室が8割程度まで溜まったら、バックを交換する。
・排液バック交換時には、胸腔内に空気が入らないようドレーン鉗子2本でクランプし実施する。

水封室

排液目的の場合
排液目的の場合は、エアリークがなく、呼吸性移動がある状態を目指しています。

注意が必要な状態としては
・エアリークがある⇒ドレーンの脱落や回路接続不良、バックの破損などの可能性があり、ドレーンや回路の確認が必要
・呼吸性変動の減弱、消失⇒ドレーンの脱落や閉塞・屈曲、肺の再膨張による胸腔内のスペースの縮小などが考えられるため、閉塞の解除が必要
これらの場合には、必要に応じて医師への報告が必要である。

排液目的の場合
排液目的の場合は、エアリークがあり、呼吸性移動もある状態を目指しています。

注意が必要な状態としては
・エアリークの量が増える⇒気胸の悪化、ドレーンの脱落や回路接続不良、などの可能性があり、ドレーンや回路の確認が必要
・エアリークが急に消失⇒ドレーンや回路の閉塞が考えられるため、ドレーンや回路の確認が必要
・呼吸性変動の減弱、消失⇒ドレーンの脱落や閉塞・屈曲、肺の再膨張による胸腔内のスペースの縮小などが考えられるため、閉塞の解除が必要
これらの場合には、必要に応じて医師への報告が必要である。

管理のポイント
・水封室の蒸留水は、蒸発により減少するため定期的に補充が必要。

調圧室

調圧室では、指示された設定吸引圧となっている必要がある。

注意が必要な状態としては
・気泡が出ない⇒設定吸引圧に達していないため、吸引源の陰圧を上げる必要がある。
・気泡が過剰に出ている⇒吸引源からの陰圧が強いため、吸引源からの陰圧を下げる必要がある。
これらの場合には、必要に応じて医師への報告が必要である。

管理のポイント
・調圧室の水位は、蒸留水を用いて設定したい吸引圧になるよう調節し注入する。
・調圧室の蒸留水は、蒸発により減少するため定期的に補充が必要。

 

補足

・本体は液面が水平になるよう固定する。
・逆流を防止し、高低差による排液を促進するため、刺入部よりも20cm以上低い位置に固定する。
・ドレーンの屈曲や閉塞がないよう、状態を観察する必要がある。
・排液の性状によっては、適宜ミルキングする必要がある。

 

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