胃ろうや経鼻胃管挿入中の患者の内服薬投与時にはどのような方法で行っていますか?
最近は「簡易懸濁法」で行われる施設が多くなってきていると思いますが、未だに錠剤を粉砕して投与する施設もありませんか?
今回は、「簡易懸濁法」の正しい知識を身に付けていきましょう。
目次
簡易懸濁法とは
簡易懸濁法とは、錠剤やカプセルの内服薬を粉砕したりせずに、そのままお湯に溶かして崩壊懸濁させた後に経管より投与する方法をいいます。
従来行われていた、錠剤やカプセルを粉砕したりして投与する粉砕法よりも簡単でメリットもあるため非常に有用で、今後はどの施設も簡易懸濁法を取り入れていくのではないかと思います。
粉砕法のデメリット
- 粉砕後の粉末が水に均等に懸濁しなければ、チューブから注入したときに閉塞する可能性が高くなる。(粉砕に適していない薬剤もあるため。)
- 薬剤を準備する際に看護師や患者・家族が吸入する可能性がある。
- 分包紙や粉砕に使用した鉢に薬剤が付着することにより投与量が減少する。
簡易懸濁法のメリット
- 崩壊・懸濁を行うことで薬剤と水が均等に懸濁され、閉塞リスクが低くなる。
- 粉砕していないため粉末になることが無く、薬剤を吸引することがない。
- 投与量の減少がない。
- 錠剤やカプセルが溶けたのかを視覚的に確認できる
簡易懸濁法の方法
簡易懸濁法の方法としては以下のようになります。
- 溶かす容器を準備します。(簡易懸濁法専用のボトルもありますが、蓋が付いた容器であれば何でも大丈夫です)
- 容器に薬を入れます。
- 薬の入った容器に約20mlのお湯(約55℃)を入れ、蓋をして10回程度振ります。
- 5~10分放置します。
- その後、薬が溶けたら、シリンジに吸い上げ、患者に注入します。(簡易懸濁法専用のボトルの場合には、数回振った後に直接管に接続して注入します。)
おまけとして、費用は掛りますが専用のものとしてこんなのもあるみたいです。
簡易懸濁法の注意点
- ビタミンB12製剤などの光に対して不安定な薬剤では、 簡易懸濁中の光に対しても反応を起こし、効果が低下してしまうため、遮光容器や遮光できる環境にする必要がある。
- 錠剤の周りがコーティングされており、水に浸しておいても自然崩壊しない薬剤もあり、そのような薬剤には水が中に入りやすいよう亀裂を入れておくと良い。
注意が必要な薬剤については、薬剤師に確認すると良いと思います。
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