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PTとは
PT(prothrombin time)とは、プロトロンビン時間の略で、外因系の凝固因子をはかる検査です。
PTは、凝固系第X、Ⅶ、Ⅹ、Ⅴ、Ⅱ、Ⅰ因子の活性が低下することにより延長します。
通常は、APTTとともにPTを一緒に確認することで、抗凝固薬使用のモニタリングや手術延長の可否の判断材料となります。
※抗凝固薬のモニタリングの際、APTTは点滴使用、PTは内服薬使用の指標となります。
PTの種類と基準値
PT(プロトロンビン時間)
凝固系第X、Ⅶ、Ⅹ、Ⅴ、Ⅱ、Ⅰ因子が働いて血液が凝固するまでの時間を示しています。
基準値は10~12秒程度です。
PT-INR(PT国際標準比)
PTは試薬によって差異が生じるため、その差異を標準化するため国際標準化された試薬を用いて指数化したPTの表記法です。PTが延長するほどPT-INR値も大きくなります。
基準値は1±0.15です。
PT値が異常時の疾患
PT高値の場合考えられる疾患
- 先天性凝固因子欠乏症
- 重症肝障害
- 播種性血管内凝固症候群(DIC)
- ビタミンK欠乏症
- 多発性骨髄腫
- 尿毒症
など
PT低値の場合考えられる疾患
PTは主に延長時に病的意義がありますが、妊娠や加齢による生理的変化により低値となる場合があります。
抗凝固薬使用時の指標
PTは、抗凝固療法のワーファリン投与決定量の指標として用いられます。
ワーファリン投与時のコントロール目標のPT値は、PT-INRで見ていきます。ワーファリン投与時にはPT-INRが2~3程度になるように調節することが多いようです。
PTとAPTT延長の鑑別
PTのみが延長している場合の代表的な疾患
- 第Ⅶ因子欠乏
- ビタミンK欠乏
- ワーファリン投与時
- 肝障害
APTTのみが延長している場合の代表的な疾患
- 抗リン脂質抗体症候群
- 血友病A(第Ⅷ因子欠乏)およびB(第Ⅸ因子欠乏)
PT/APTTともに延長している場合の代表的な疾患
- 播種性血管内凝固症候群(DIC)
- ヘパリン投与時
- 重度のビタミンK欠乏
- ワーファリン過剰投与時
- 重度の肝障害
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