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Dダイマーとは
Dダイマー(Ddimer)とは、フィブリンが分解された最終産物をいいます。
Dダイマーが高値であるということは、フィブリン(血栓)が溶解されていることを意味しています。
Dダイマーへと分解される過程として、血管内で何らかの異常により血栓が生じると、その血栓はプラスミンによってフィブリン/フィブリノゲン分解産物(FDP)となります。このFDPが分解されていくと最終的にDダイマーとなり血液中に現れます。
そのため、Dダイマーは血栓が作られている場合に、その血栓が溶解される反応(線溶系の亢進)として検査データとして反映されます。
Dダイマーの基準値と異常時の疾患
Dダイマーの基準値は1.0μg/ml以下です。
Dダイマー高値の場合考えられる疾患
- 深部静脈血栓症(DVT)
- 肺塞栓症(PE)
- 播種性血管内凝固症候群(DIC)
- 重症肝障害
- 悪性腫瘍
- 心筋梗塞や脳梗塞
など
Dダイマーが基準値よりも高値であるということは、体内で血栓形成傾向であることが推測されます。
Dダイマーと深部静脈血栓症(DVT)/肺塞栓症(PE)
Dダイマーは、血栓症に対しての感度が高いため、深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓症(PE)を診察する材料として用いられます。また、Dダイマーが陰性(基準値以下)であればDVTやPEの可能性は低くなるため、主にこれらの疾患を否定するために使用します。
※術後や微小な病的意義の少ない血栓が存在する場合にも陽性(基準値より高値)となるため、DダイマーのみではDVTやPEの確定診断を行うことはできません。
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