赤血球(RBC)とは‐働きや基準値と病気

 

赤血球の働き

赤血球の主な役割は、酸素(O2)の運搬です。これは、赤血球に含まれるヘモグロビン(Hb)によって行われます。

ヘモグロビンは、酸素を肺胞で受け取ると、各組織へと運搬し、その先で酸素を放出します。

 

また、赤血球は二酸化炭素(CO2)の運搬にも関与しています。二酸化炭素もヘモグロビンと結合して肺胞へと運搬すると思っている人も多いと思いますが、実はヘモグロビンに結合する二酸化炭素の量は少しだけなのです。では、どのように二酸化炭素が肺胞まで移動するかというと

二酸化炭素の大部分は赤血球内へと一度取り込まれます。
↓↓
赤血球へと取り込まれることで二酸化炭素は、重炭酸イオン(HCO3)へと変換され、血漿中へ移動します。
↓↓
肺胞付近へと近づくと重炭酸イオンは再び赤血球に取り込まれ二酸化炭素に変換され、肺胞から呼気中に排出されます。

ちなみに、成熟した赤血球は骨髄で生産され、約120日間体内を循環した後、脾臓や肝臓などので破壊されます。そのため、赤血球の寿命は約120日間であるといえます。

 

赤血球が成熟していく過程として
造血幹細胞⇒赤血球系前駆細胞⇒前赤芽球⇒赤芽球⇒網赤血球⇒赤血球
という順番で成熟していきます。

 

赤血球の基準値と見方

赤血球の検査項目としては以下のものがあります。※()内が基準値となります

①赤血球数:RBC(男性450~550万/μL、女性350~500万/μL)
一定体積の血液中における赤血球の個数を表しています。
基準値よりも高い場合のメカニズムとして、単純に赤血球成分が増加したことによる上昇や、血漿成分の減少により一定体積中の赤血球濃度が高くなることによる上昇があります。
疾患としては、
・血球成分の腫瘍性増加による真性赤血球増加症
・低酸素血症やエリスロポエチン産生腫瘍(腎癌など)などにより、エリスロポエチン上昇による循環赤血球量が増加する二次性赤血球増加症
・脱水やストレス、下痢、嘔吐などにより血漿成分が減少するために生じる相対的赤血球増加症
が疑われます。(ヘモグロビン、ヘマトクリット値が高い場合でもこれらの疾患が疑われます。)

基準値よりも低い場合には、貧血が疑われます。

②ヘモグロビン量:Hb(男性14~17g/dL、女性12~15g/dL
一定体積の血液中におけるヘモグロビン量を表しています。
ヘモグロビンでは主に貧血の有無を判断する材料となります。基準値よりも低値であれば貧血を疑います。詳しくは、貧血の項目で記載していきたいと思います。

③ヘマトクリット値:Ht(男性40~50%、女性35~45%)
ヘマトクリット値は、血液中に占める赤血球の割合を示しています。この値が基準値よりも低い場合も赤血球、ヘモグロビンと同様に貧血が疑われます。

④平均赤血球容積:MCV(81~100fL)
赤血球1個あたりの容積の平均値を表しています。

⑤平均赤血球ヘモグロビン量:MCH(27~32pg)
赤血球1個あたりのヘモグロビン量の平均値を表しています。

⑥平均赤血球ヘモグロビン濃度:MCHC(31~35%)
赤血球1個あたりのヘモグロビンの濃度を表しています。

※平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン量、平均赤血球ヘモグロビン濃度は赤血球恒数と呼ばれており、貧血の原因や種類、性質を判断するために必要な値です。詳しくは貧血の項目で説明していきます。

 

⑦網赤血球数:Ret(0.5~2.0%)
赤血球中の網赤血球の割合を表しており、骨髄で行われている赤血球生産の程度を示しています。
網赤血球の割合が高い時は溶血性貧血など、低い場合は再生不良性貧血などの原因が考えられます。

 

貧血とは

貧血は末梢血中のヘモグロビン濃度が基準値以下に低下した状態です。その程度を判断するため赤血球数やヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値を用います。その中でもヘモグロビンが判断材料として最も用いられます。

貧血のメカニズムとしては、産生低下、破壊亢進、出血に分類されます。赤血球の生産量よりも消失量が多くなることにより貧血が生じます。

貧血で共通する症状

貧血では、組織の酸素欠乏に基づく症状、それを補うための生体の代償作用に基づく症状、赤血球量の減少による症状が出現します。

組織酸素欠乏に基づく症状
・脳の酸素欠乏により、頭痛・眩暈・失神発作・耳鳴りなどが生じます。
・心筋の酸素欠乏により、狭心症の症状(胸痛)などが生じます。
・骨格筋の酸素欠乏により、易疲労感・倦怠感・脱力感などが生じます。

生体の代償作用に基づく症状
・酸素欠乏を補うため、呼吸数を増加させ代償しようとするために息切れが生じます。
・各組織の酸素欠乏を補うため、心拍出量・心拍数を増加させ代償しようとするため動悸・頻脈・心雑音などが生じます。(貧血による頻脈が原因で心不全となってしまうこともあります。)

赤血球量の減少による症状
・赤血球が減少するために末梢血管は収縮するため、顔面蒼白・眼瞼結膜蒼白・末梢冷感が生じます。

 

貧血の種類

小球性低色素性貧血

・鉄欠乏性貧血
体内の鉄はヘモグロビン合成に利用されています。鉄が欠乏するということはヘモグロビンが合成できなくなるということです。そのために生じる貧血を鉄欠乏性貧血といいます。
原因としては、慢性的な出血(慢性消化管出血、月経過多など)による鉄分喪失、偏食やダイエットなどによる鉄分の摂取・吸収不足、妊娠・授乳や成長期のため鉄需要の増大があります。

・二次性貧血
血液疾患以外の基礎疾患が原因で生じる貧血をいいます。膠原病などの慢性炎症、悪性狩猟などによる二次性貧血は、赤血球造血の抑制・鉄の利用障害・エリスロポエチン産生抑制など様々な要因が複合的に合わさり生じます。

 

正球性正色素性貧血

・出血性貧血
外傷や静脈・動脈瘤破裂など急激に出血が生じ、赤血球が喪失するために生じます。(出血性の疾患でも消化管出血や月経過多などの慢性出血に起因する貧血は鉄欠乏性貧血と同様の病態となります。)

・腎性貧血
腎臓ではエリスロポエチンという赤血球を産生する働きを促進するホルモンが分泌されます。何らかの原因で腎臓の機能が低下することによりエリスロポエチンの分泌が低下し、赤血球の産生能力が低下して貧血になることを腎性貧血といいます。

・溶血性貧血
何らかの原因で赤血球の破壊(溶血)が亢進されたために生じる貧血です。

 

大球性正色素性貧血

・巨赤芽球性貧血
骨髄に巨赤芽球が出現する貧血の総称をいいます。
ビタミンB12の欠乏、葉酸欠乏により前赤芽球でのDNA合成が傷害されるために正常な赤芽球が産生されず、異常な巨赤芽球が産生されてしまいます。
ビタミンB12欠乏の原因としては、自己免疫疾患による胃粘膜の萎縮や胃全摘による吸収障害が大部分を占めている。このビタミンB12欠乏による貧血を悪性貧血といいます。

 

その他の貧血

・再生不良性貧血
骨髄における造血幹細胞レベルの異常により生じるため、全ての血球細胞の分化が障害され汎血球減少(赤血球・白血球・血小板の血球減少)がみられます。

・骨髄異型性症候群(MDS)
骨髄に異常造血幹細胞が生じ、それがクローン性に増殖していく疾患です。
異常幹細胞が増殖する結果、正常の造血が抑制されてしまいます。また、異常クローンから造られる異常血球細胞は末梢血へ放出される前に分解される(アポトーシス)ために、末梢血での血球減少が生じます(無効造血)。

 

赤血球恒数による貧血の分類

ヘモグロビン量が減少していることは貧血であることが分かりますよね。しかし、貧血の種類までは推測できません。そんな時に赤血球恒数を用いることでどんな貧血を起こしているのかを推測できます。

MCV低値↓(≦80)

MCHC低値↓(≦30)

小球性低色素性貧血
MCV基準値内(81~100)

MCHC基準値内(31~35)

正球性正色素性貧血
MCV高値↑(101≦)

MCHC基準値内または高値

大球性正色素性貧血

 

※赤血球恒数にはMCHもありますが、実は分類の指標としてはあまり用いられることはありません。

 

まとめ

赤血球といっても、いろいろみるべき点がありましたね。

さらに今回は貧血に焦点を当ててみました。一概に貧血といっても、その発生機序によって様々な種類がありました。今度からは、赤血球が減少していたらどんな原因が考えられるかまでアセスメントできるようにしていきたいですね。

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