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患者の動脈または静脈から血液を採取し、血液ガスで測定することは結構あると思います。
血液中の酸素や二酸化炭素濃度、電解質などから、酸塩基平衡や呼吸状態を評価する「血液ガス」(通称血ガス)。
しかし、なかなかその評価方法が難しく感じることもあると思います。
そんな血ガスについて説明していきます。
目次
血ガスの検査項目と基準値 ※( )内が基準値です
①PaO2:動脈血酸素分圧(80~100Torr)
血液中の酸素の量を反映しています。
肺胞換気量やガス交換能の評価に用います。
②SaO2:動脈血酸素飽和度(94~97%)
血液中の酸素と結合しているヘモグロビンの濃度を表してます。
PaO2とは酸素解離曲線で関係性が表されています。
SaO2を、経皮的にパルスオキシメーターで測定したものがSPO2(経皮的動脈血酸素飽和度)です。
③PaCO2:動脈血二酸化炭素分圧(35~45Torr)
肺胞の換気量の評価に用います。
二酸化炭素は、血液に溶けると酸性となります。
そのため、この値が多いと酸性へと傾きます。
④pH(7.4±0.05)
血液が酸性かアルカリ性かを表しています。
通常は少しだけアルカリ性に傾いています。
⑤HCO3:重炭酸イオン(22~28mEq/L)
血液のpHを保つために調整しています。
重炭酸イオンが多くなるとpHがアルカリ性へと傾きます。
そのため、重炭酸イオンは二酸化炭素生産量も影響します。
酸塩基平衡では代謝性異常を反映します。
⑥BE:塩基過剰(-3~+3mEq/L)
pHやPaCO2、HCO3などから計算により算出される値です。
血液のpHを正常にするために必要な酸や塩基の量を調節するための目安となります。
このBEが、正常範囲外にある場合には代謝性の異常のがあることになります。
⑦Na:ナトリウム(136~146mEq/L)
血中のNaの量を表す数値です。
腎不全・心不全・肝不全などで低下
ステロイド投与・嘔吐・下痢などで低下します。
⑧K:カリウム(3.5~4.5mEq/L)
血中のKの量を表す数値です。
アルカローシスで低下、アシドーシスで上昇します。
⑨Cl:クロール(98~106mEq/L)
血中のClの量を表す数値です。
アンギオキャップの計算の際に使用します。
⑩Ca:カルシウム(1.15~1.29mEq/L)
血中のCaの量を表す数値です。
腎不全・急性膵炎などで低下、悪性腫瘍などで上昇します。
⑪Glucose:グルコース、血糖(70~110mg/dL)
血液中の血糖値の数値を表す値です。
高血糖や低血糖の評価に用います。
⑫Lactate:ラクテート、乳酸(0.5~1.6mEq/L)
組織への酸素供給が不十分な場合に上昇します。
体内で代謝の際に作られます。
⑬AG:アンギオキャップ(12±2mmol/L)
血中電解質の陽イオンと陰イオンの釣り合いが取れているかを評価する数値です。
代謝性アシドーシスの際には上昇します。
Na-(Cl+HCO3)によって算出されます。
覚えておきたい用語
アシドーシスとアシデミア
アシドーシスとは、血中pHを酸性へと傾けようとしている状態をいい、
アシデミアとは、血中pHが完全に傾き、酸性の状態になっていることをさしています。
経過としては、アシドーシスを経由し、アシデミアへと至るのです。
アルカローシスとアルカレミア
アルカローシスとは、血中pHをアルカリ性へと傾けようとしている状態をいい、
アルカレミアとは、血中pHが完全に傾き、アルカリ性の状態になっていることをさしています。
経過としては、アルカローシスを経由し、アルカレミアへと至るのです。
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