目次
目的と適応
目的
血液や体液、分泌液、排泄物などの感染源となり得ると分かっているもののみならず、確認されていないもの(未検査である場合など)から起こる感染のリスクを減らす。
感染源に接触する可能性がある時に、皮膚、眼、鼻、口の粘膜、着衣を保護するために使用する。
適応
感染症の診断や有無に関わらず、全ての患者の血液、体液、分泌物、排泄物、損傷している皮膚、粘膜に実施する。
使用する物品ごとの適応については以下の通りである。
手袋
- 血液や体液、粘膜、損傷のある皮膚に接触する場合
- 接触感染する可能性のある病原微生物の保菌者やその周囲に接触する場合
- 血液や体液に汚染された器具や環境表面に接触する場合
ガウン・エプロン
- 血液や体液などが飛散する可能性のある処置を行う場合
マスク
- 血液や体液、排泄物などが飛散し、口腔や鼻腔粘膜が暴露される可能性がある場合
- 医療従事者が無菌操作を行う場合
- 患者から他者への呼吸器由来の感染症の伝播を防ぐため
フェイスシールド、ゴーグル
- 血液や体液、排泄物などが飛散し、眼や鼻腔粘膜が暴露される可能性がある場合
個人防護具の着脱の順番
装着
手指衛生⇒ガウン(またはビニールエプロン)⇒マスク⇒ゴーグル⇒手指衛生⇒手袋
取り外し
手袋⇒手指衛生⇒ゴーグル⇒ガウン(またはビニールエプロン)⇒マスク⇒手指衛生
必要物品
必要に応じて以下の物品を準備する。
- 擦式消毒薬
- 液体石鹸
- ペーパータオル
- N95マスク
- 使い捨て手袋
- エプロン
- ガウン
- フェイスシールド
手順
1.手指衛生を行う。
2.曝露する範囲を防護できる適切な防護具を選択する。
3.個人防護具を装着する。
血液や体液、分泌物、排泄物などに接触する可能性があるときに、皮膚、眼・鼻・口の粘膜、ユニフォームが汚染されることを防ぐ。
撥水性あるいは防水性のものでなければ防護効果が得られない。
汚染させる範囲が胸部、腹部など体幹部に限定すると予想される場合は、ビニールエプロンを装着する。
あごに付けたり、鼻を出して使用すると効果がないため避ける。
顔全体に血液、体液、排泄物、分泌物の飛沫が予想される場合、目、鼻および口の粘膜を保護する。実施される業務に予想される必要性に応じて、サージカルマスク、ゴーグル、フェイスシールド、およびそれらの組み合わせを選択する。
ガウンで袖口を手袋で覆うことで、袖口の汚染が軽減され、ガウンを脱ぐ時に素手が汚染する可能性が軽減する。また、ケアや処置の途中での手袋の交換が容易になる。
個人防護具は身体の前面を「汚染区域」として考える。そのため、感染性微生物に接触せずに取り外すことが重要となる。
手袋の端のほうをつまむと、手袋が手首に触れて汚染する可能性があるため注意する。
手袋の目に見えない小さい穴(ピンホール)からの汚染の可能性があるため、手袋を外した後は必ず手指消毒を行う。
汚染された外側どうしを重ね、汚染拡大を防止する。
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