今回は発作性上室性頻拍(PSVT)についてです。
VTという略語が付いていると気になりますよね。
しかし、危険度も心室頻拍(VT)ほどは高くはありません。
目次
発作性上室性頻拍(PSVT)とは
PSVTは上室性にリエントリー回路が発生していしまうことにより発生します。
リエントリーとは刺激がぐるぐると回っていることを言いますね。
他のリエントリー性の不整脈といえば心房細動(AFL)や心室頻拍(VT)がありますね。
それらと同じように、電気刺激が繰り返しまわっている状態をいいます。
150回/分以上の頻脈となり、心臓が空打ちしている状態となるため血圧が低下します。
また、もとの心機能が低下している場合にはショック状態となることもありますので注意が必要です。
それでは波形をみていきましょう。
判断のポイントは
①R-R間隔は一定
②QRSの幅がSRと同様
③P波が見えるときと見えないときがある
この波形ではP波を確認することができます。
しかし、リエントリーが発生しているためにP波がQRS波とかぶってしまうこともあり、見えない場合もあります。
PSVTを見たときの対応
PSVTの危険度は中です。
PSVTが発生した場合には、患者のもとへと行き、意識レベルの観察やバイタルサインを測定しましょう。
意識が無く脈も触れない場合にはCPRが必要となる場合があります。
脈が触れる場合には12誘導心電図をとり主治医に報告します。
治療
・根治治療としてカテーテルアブレーションが行われることがあります。
・薬剤治療としてはATP製剤などが使用されます。
PSVTの見分け方
PSVTと他の頻脈性不整脈(AFLや洞性頻脈)とをモニター心電図で見分けることは非常に困難です。
そこで、見分け方のポイントや考え方について紹介します。
・洞性頻脈との見分け方
これは、普段の患者の心拍数を把握していることが必要です。
洞性頻脈が徐々に心拍数が上昇して頻脈になるのに対して、PSVTは急に頻脈へとなります。
PSVTは突然に起こるのです。そのことを覚えておきましょう。
・AFLとの見分け方
これは見分けることができません。
そのためにATP製剤を使用します。
ATP製剤を使用し、房室結節以下の伝導を数秒間止めます。
そうすると、AFLなら粗動波が残りますが、PSVTなら心静止のようにフラットな波形となりSRへと回復するのです。
同じリエントリー性の不整脈なのに何が違うのだと疑問になりませんか?
後日、詳しく説明したいと思うのですが、リエントリーにも種類があるのです。
AFLは洞結節周囲で発生しており、PSVTは房室結節などでリエントリーが発生しているのです。
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