ペースメーカーの設定は①AAI、②VVI、③DDDの3つに設定されることがほとんどです。
今回はDDDについて説明していきます。
目次
モードについてのおさらい
ペーシング:D(心房と心室)
センシング:D(心房と心室)
自己心拍への応答:D(抑制と同期)
特徴
心房と心室に2本ずつリードが入っており、心房・心室の両方に対してセンシング・ペーシングできるモードです。
Ⅲ度房室ブロック(完全房室ブロック)や高度房室ブロックなどのように洞結節からの刺激はあるが、心室へとうまく伝わらない疾患に対して適応となります。
適応疾患は房室ブロックです。
DDDでは上限値と下限値が設定されています。
そのため
DDD60/120
のような表記がされます。
DDD60/120では下限値は、これまでのAAI・VVIと同様にその設定値を下回った場合にペーシングを行います。
AAI・VVIと異なるのは、リードが心房・心室のそれぞれにあるため、P波(心房収縮数)の数が設定以下の場合には心房ペーシング、心拍数が設定以下の場合には心室ペーシングがされるということです。
P波(心房収縮数)または心拍数が設定以上であれば、それは自己にて心房または心室が収縮していることになります。
上限値は、その設定以上の心拍数になるようなペーシングはしないということです。
DDD60/120では、P波(心房収縮数)または心拍数が120回/分以上となるような場合にはペーシングはされません。
例として、発作性心房細動(PAF)になった場合などで、P波(自己心房収縮数)が120回/分を超える場合があります。このような場合には心房ペーシングはされず、必要な心室ペーシングのみが行われます。
この場合には、120回/分を超えない範囲でP波(心房収縮数)に同調した心室ペーシングが行われます。
DDDでの心室ペーシングは、P波(心房収縮数)が出現してから、設定されたPQ時間を越えても自己QRS波が出現しない場合に行われます。
この設定された時間のことをAVディレイと呼びます。
Aは心房。Vは心室です。
A収縮の後、どのくらい送れてVが収縮するかという意味ですね。
波形について
①ペーシングスパイクの後にP波またはQRS波が出現する
②心室ペーシングされた場合には幅の広いQRS波が出現する
このような場合、AVペーシングと呼ばれます。
A(心房)とV(心室)の両方をペーシングしているということです。
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