排泄のメカニズムと加齢による排泄に関わる臓器の変化

高齢になると排尿・排便に関する問題が増えてきます。

排尿・排便を合わせて排泄と呼びます。

そもそも排泄とはどうのように行われるのでしょうか。

そして、高齢になるとどのような身体的な変化があるのでしょうか。
今回は、そのような排泄のメカニズムと加齢による排泄に関わる臓器の変化についてです。

 

目次

排泄とは

排泄の主な目的は人体にとって不要となった老廃物や水分を体外へと排出することです。

排尿と排便は神経と骨盤筋群によってコントロールされています。

正常な排泄には、以下のようなことが必要となります。
①身体が尿や便を生成することができる
②排泄にかかわる臓器が必要な働きを行っている
③一連の排泄を行う判断力や運動機能が保たれている

これらの機能に異常をきたすと身体にさまざまな問題が起こるのです。

 

排尿のメカニズム

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尿は第1腰椎の高さにある左右の腎臓によって作られます。
身体の各組織からの不要物を受け取った血液は腎臓へと流れ込み、糸球体で血管内の水と溶質が濾過され原尿となった後、尿細管による再吸収と分泌を受けて完成するのです。

そして、集合管に集まり腎杯・腎盂を経て尿管から膀胱へと流れます。

その後、膀胱にたまった尿は尿道を通って体外に出て行きます。

腎臓は尿を生成することにより
①体液の量と浸透圧を一定に保つ
②血液のpHを一定に保つ
③不要な代謝産物(尿素・尿酸など)や薬物を排出するといった調節を行っています。

 

膀胱は下腹部にある尿をためる臓器で、膀胱には尿を貯留する蓄尿と、体外に排出する排尿という働きを持っています。

膀胱内にたまると膀胱内圧は上昇し、膀胱平滑筋は伸展します。これらの刺激が排尿中枢に到達すると、膀胱平滑筋を弛緩させ内・外尿道括約筋を収縮させます。

そうすることにより、膀胱内圧をそれほど高めず尿をためることができます。

膀胱内に尿が150~200ml程度たまり膀胱内圧が急に上昇すると、膀胱の伸展による刺激が大脳に伝達され尿意が生じます。

同時に脳幹の排尿中枢にも刺激が伝わり、膀胱平滑筋は収縮し、内・外尿道括約筋は弛緩し排尿が起こります。

 

 

排便のメカニズム

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食物が消化され便となるまでにかかわる臓器を消化器といい、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓などがあります。
消化管は口腔から肛門までの食物の輸送を行い、その過程で食物を体内へ取り込み、不要物を体外へ送り出す働きをする臓器の集まりです。

口腔から摂取された食物が便として排泄されるまでに24~48時間かかるといわれています。

口腔から摂取された食物は食道を通り胃へと送られます。

胃で胃液と食物は混合され、小腸へと移動します。

小腸では十二指腸乳頭より流入した膵液によって消化が促進されると共に、栄養素や水分の大部分が吸収され、その後、大腸へと移動します。

大腸へ移動した段階では便はまだ水分を多く含んでいるため、大腸で水分は吸収され適当な便の硬さとなり直腸にとどまり、排便時に肛門から排泄されます。

直腸には通常、便は停滞していません。
結腸の総蠕動により便が直腸に移動し、内圧が40~50mmHgになると直腸壁の粘膜内にある

受容器が反応して大脳へと伝達され便意として認識されます。
同時に結腸の蠕動運動の亢進により、直腸が収縮し便を肛門に向けて送り出し内肛門括約筋が弛緩します。

普通であれば便意を感じてもトイレに行くまでの間は、外肛門括約筋を意識的に収縮させて一時的に排便を我慢することができます。

そして、排便の体勢を整えたところで外肛門括約筋を弛緩させて便を排出します。

便を排出する際には、深呼吸や声門の閉鎖、腹筋の収縮や怒責などによって結腸の便を下方に押しやったり、便が下方に突出するように肛門の上方で骨盤床を外下方に引き下げたりと、排便を促すほかのいろいろな動作を同時に行っているのです。

 

 

加齢による排泄にかかわる臓器の変化

多くの人は加齢に伴い心身の機能が低下し、健康状態に破綻をきたしやすい脆弱な状態となります。

それは、排泄にかかわる臓器でも同様なのです。

腎臓は老化の影響を受けやすく、腎臓全体の萎縮と表面に顆粒状の変化がみられ再吸収や排泄機能が低下します。

膀胱での蓄尿・排尿の働きが低下すると膀胱にためられる尿量が減少し、尿意を感じると我慢できにくくなります。

そして、膀胱壁、粘膜の感覚が敏感になるため尿意を感じる頻度も増します。

尿を出す膀胱の平滑筋の力が低下すると排尿時の尿の勢いが弱くなるのです。

 

男女での特有の差もあります。
男性では前立腺が肥大し、それに伴いさまざまな症状を引き起こします。
女性では尿道の壁が薄く弾力に乏しくなり、更年期以後尿道括約筋の働きが低下するなどの変化がみられることがあります。

 

消化器系では、消化管蠕動運動の低下、消化液分泌の減少、腸管壁の脆弱化・弾力性低下、栄養素の吸収力低下などが生じます。

 

女性では男性に比べて肛門を締める肛門括約筋が薄く、出産によって損傷を受けることもあるため、加齢により便が漏れやすい傾向にあるのです。

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