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経管栄養で栄養剤を投与する時は、どんな順番で行っていますか?
現在では、栄養剤よりも白湯を先に投与することが推奨されています。なぜだと思いますか?
今回は、そんな疑問を解決していきましょう。
目次
経管栄養剤投与が原因となって発生する合併症
まずは、どんな合併症の可能性があるか見ていきましょう。
合併症としては下記の様なものがあげられます。
- 胃内長時間停滞による嘔吐や腹部膨満感
- 急激な腸への経管栄養剤の流入による下痢
- 胃液の逆流による誤嚥性肺炎や窒息
なぜ白湯を先に入れるといいのか
そもそもなぜ白湯を投与するのでしょうか??
それは、経管栄養剤だけでは不足する水分を補うためです。
もし、経管栄養剤の後に白湯を入れるとどうなると思いますか?
それは、経管栄養剤が胃から小腸へと排出される前に、さらに白湯が胃内に入ることになるため胃内容量が増えてしまい嘔吐などのリスクが増加してしまうのです。
それでは、白湯を先に入れるとどうなるでしょうか?
白湯(水)は胃内の停滞時間が、経管栄養剤の約1/2と短いです。そのため、白湯を先に投与したほうが胃内容の増加は少なくなると考えられます。
また、先に白湯を入れることで蠕動運動が促進され(準備運動のような感じです)、下痢などの予防にもつながります。
白湯を先に入れるメリット
白湯を先に入れるメリットをまとめてみました。
- 白湯の胃内停滞時間は短いため、その後に経管栄養剤を入れても胃内容の増加を少なくできる。
- 先に白湯を入れることで、胃は準備運動ができ経管栄養剤投与時の蠕動運動が促進される。
これらのことから、経管栄養剤の投与前に白湯を入れることで、嘔吐や下痢などのリスクを軽減できます。
身障者の施設で、介護をしています。
先水についてのメリットは書いてあり、理解はできますが、デメリットを教えて下さい。
と言うのも、注入食の管理を半年前に看護師がすることになり、それまでは一切注入食に関わってこなかった看護師が、それまで問題のなかった利用者の食事も先水にしたり、注入食の種類を変更し、肺炎になったり、水様便になったりと問題が起きています。
かといって、介助者が手を出せない(出してはいけないのが本当だったんですが)ので、改善出来ませんか。と言うことはできても、具体的なことが言えません。
管理人のハッカ油です。返信が遅くなり申し訳ありません。
私自身も調べてみたのですが、デメリットと言われる文献等はありませんでした。
水を先に入れていても、水様便になるのであれば、栄養剤の注入速度が速すぎるのかもしれませんね。また、注入食の種類によっては、粘度が低いために誤嚥を起こしてしまう可能性があります。注入速度をゆっくりにしたり、注入食に粘度を加えるようなものや半固形化の注入食ものを使う、注入後は30~1時間程度は挙上した体位を保つなどの対策が必要だと思われます。
肺炎や水様便じたいが、水を先に入れるために起こるものではないと思います。
看護学校に通っています。
文献や私は以前働いていた病院、また学校では、微温湯を最後に流すのはチューブに残った栄養剤を流すためもあると学びました。チューブはその都度変えるのが好ましいが、実際に現場にでるとそれは難しくて数日間留置の場合も多々あると聞きました。もしチューブ内に栄養剤が残っている場合、どうやって流し込めばいいですか?
さーちん様 質問ありがとうございます。
管理人のハッカ油です。
質問に対しての返答ですが、栄養剤注入後に白湯をシリンジでフラッシュすることによりチューブ内を流すといいと思います。
酢水を使用したほうが雑菌の繁殖を抑えられるとのことで、最期のフラッシュ時に用いる施設もあります。
前水はいれるのが大変(仕事的に)だ、といって、前水ではなく後水にしていたところ、嘔吐や下痢があるので結局REF-P1を多用している院がありました。しかし系列の違う院ではまじめに前水をしていて、REF-P1の使用者もいませんし、やはり嘔吐下痢などトラブルもほとんどなかったです。(特殊例をのぞいて)5年くらい前ですが、当時はエビデンスがないとかで前水を否定する方もいましたが、やっぱり効果はあるのかなと思いました。
経管栄養の事について質問させて頂きます。
現在、病棟で経管栄養の方が多く、業務改善をしたいと思っております。
投与前に白湯を入れると胃内滞留が1/2と短い事が分かったのですが、もし、前押しの白湯に内服薬を入れた場合は胃内滞留は変化してしまうのですか?
たかぴー様
ご質問ありがとうございます。お返事遅くなり申し訳ございません。
現在、働いている病院のNSTメンバーに確認したところ、最初に投与する白湯に内服薬を溶かして入れて、その後に栄養剤を入れるという方法もあるそうです。
例えば、白湯100ml・栄養剤200mlの指示だとします。
簡易懸濁ボトルで白湯100mlを内服薬に溶き、投与した後に栄養剤200mlを投与するという感じになります。